根管治療を行う際に、まずは根管(歯の根)の構造を把握する必要性があります。
一般的にはレントゲンで根の構造を把握するのですが、従来のレントゲン撮影では「平面(二次元)」としてしかとらえることができないため、正確な根の構造を知ることは極めて困難です。
しかし、当院が導入している歯科用CTで撮影すれば、歯の内部を立体的(三次元)に撮影可能であり、根の構造を正確に把握することができます。
以前までは、肉眼で確認できない部分はレントゲンで確認していましたが、これに写っていなければ、その部分は「ないもの」として扱われます。
ほんとうになければいいのですが、実際は清掃すべき個所があれば、再治療の可能性が高まりますので、この「見える」「見えない」の差は治療を成功させるためには大きな違いとなります。
歯の構造の「可視化」を実現するのはまさにCTなのです。
原因不明の歯痛が続き、通常のレントゲン写真では見落としがちな病変でも・・
歯科用デンタル写真
1年以上前に前歯をぶつけたが、従来のレントゲンでは判明できず、治療されずに放置されていたケース。
当院に転院された際、二次元レントゲン写真をとるが、はっきりとした根尖病巣は見つけられない。
CT撮影で精密検査をした画像
根尖病巣がはっきりと映し出され、骨を突き破るくらいの大きな病巣(膿疱)を発見することができ、根管治療を行うことができました。
歯科用CTだと、こんなにはっきり。しかも前からでも下からでも見ることが出来ます。
根管治療に三次元の情報は極めて有用であり、今まで日常的に見逃されていたような根管(治療しなくてはいけない、神経の通り道)や病気の原因を、ほとんど見逃さずに済みます。
また画像上で根管の長さも正確に測れるなどのメリットも大きく、術前・術中・術後を通して、安心確実に進めることが出来ます。
根尖病変(根の先の黒い影、膿のことをいう)の見逃し率は、歯科用CTを0%と考えた場合、デンタル撮影法(口の中に小さなフィルムを入れて撮影)では45%、パノラマ撮影法(顎全体を撮影)では72%といわれています。
このCT画像を活用した診断は、精密根管治療を成功させるために、いかに有用かお分かり頂けるでしょう。